銀歯のお話し
こんにちは。
大阪豊中市岡町にある「なかふじ歯科クリニック」院長の中藤です。
今日は少し「銀歯」について私なりの考えをお話しさせていただこうと思います。
歯が痛くなり、歯医者へ行くとむし歯で歯を削らなくなった経験はあるでしょうか?
むし歯になってしまった箇所は、元に戻ることはなく(極めて初期のむし歯に関しては再石灰化といい戻ることもあります)基本的には削り取らないといけなくなってしまいます。
また、削ってしまったところは、なんらかの代わりの材質で詰めていかなければなりません。
その中で、特に多いものが「銀歯」と言われるものです。
詳しく申しますと「12%金銀パラジウム合金」という金属です。
実は、この銀歯、日本では広く用いられスタンダートな材料なのですが世界に目を向けてみると、この銀歯がお口の中に入ってる国は極めて少ないです。
なぜ他の国の歯医者さんは、銀歯を使わないのか?
上の写真を見てください。
左が銀歯で、そこが咬むと痛いと来院された患者さんの歯です。
右がその銀歯を外してみたところです。
銀歯は卑金属なため、お口の中で腐食を起こし接着剤を溶かしてできた隙間にむし歯ができているのがわかっていただけると思います。
このような状態をよくみるため、歯医者さんは日本であろうとも
あまり銀歯を自分は勿論、家族や患者さんのお口の中に入れようとはしないのです。
このような銀歯が日本で氾濫しているのは「国民皆保険制度」と言われる制度では、「銀歯」しか使えないことが多いからです。
「保険治療」が悪くて「自由診療」がいいというわけではありません。
治療の内容、求められる治療のゴールによっては、保険治療の内容で十分な処置もあります。
ただ、保険治療は「最低限の機能修復」が主な目的であり、見た目の美しさや高い機能性、長期安定性を求めたり、よりより新しい素材を用いることはできません。
そのような治療を選ばれる際は自由診療になることが多くなることが多いのです。
長々とお話しさせていただきましたが
銀歯のメリット・デメリットをまとめさせていただきます。
《メリット》
・保険治療が適用できるので、安価に治療を受けることができる
・素材が硬いため、しっかりと咬むことができる
《デメリット》
・見た目が良くなく目立つ
・汚れがつきやすく、腐食を起こすため、歯周病や、再度むし歯に
なりやすい
・金属アレルギーが生じるリスクがある
最近になり、お口の中の環境が体の健康に大きな影響を与えることが
わかってきており、自分の歯でしっかりとお食事ができる人の方が、合わない入れ歯を使われている方に比べ痴呆症や寝たきりになりにくいとの報告もあります。
一度、ご自身の身体の健康に目を向けていただき、お口の中を見つめなおしてみるのもいかがでしょうか?
何れにせよ、早期発見・早期治療が一番だと思います。
最近ですが、歯医者ではなく医者の先生が歯について本気で考えて執筆された本を見つけました。
オススメの本です。
もし、よろしければ当院にも置いてありますのでスタッフに一声かけてください。