3歳の指しゃぶり、どうするべき?子どもの歯並びが悪くなるクセ・原因について
こんにちは。
豊中市岡町にあります「なかふじ歯科クリニック」院長の中藤信也です。
今回は、子どもの歯並びが悪くなるクセ・原因についてお話させていただきます。
お子様の指しゃぶりは、3歳ごろまでは見守っていて大丈夫です。
手を使った遊びが増えていく年ごろなので、昼間の指しゃぶりは少しずつ減っていく子どもが多いようです。
寝る前の習慣として指しゃぶりをする子どもいますが、寝る前に絵本を読む、手をつないで安心させてあげるなど、お子様に合わせた方法で見守りましょう。
ただ、3歳を過ぎても頻繁に指しゃぶりをしている様子が見られるなら、歯並びに影響が出る恐れがあるため、注意が必要です。
歯並びが悪くなる子どものクセは、指しゃぶり以外にもいろいろあります。
どのようなクセに気を付ければよいのでしょうか。
歯並びが悪くなるクセや生活習慣
お子様に、以下のようなクセはありませんか。
これらのクセが習慣化してしまうと、子どもの歯並びが悪くなる可能性があります。
・指しゃぶり
指しゃぶりを3歳を過ぎても続けていると、顎の発育や歯並びに影響を与えることがあります。
指しゃぶりをする原因は「クセになっている」ほか「心が落ち着くため」「ストレスを解消させるため」などが考えられます。
・舌で前歯を押す
舌の正しい位置は、上の前歯のうしろのくぼみあたりです。
舌で前歯を押すクセがついてしまうと、歯が舌に押されて出っ歯やすきっ歯になることも。
上下の歯のあいだから舌が見えていないか、お子様の様子を観察してみましょう。
・口呼吸
人は本来、鼻で呼吸をしています。
けれども、口呼吸がクセになると、常にお口があいてしまい、お口周りの筋力が弱くなってしまいます。
そうすると、舌や頬の力のバランスがくずれ歯並びの悪化をまねいてしまうのです。
・ほおづえをつく
ほおづえをつくクセがあると、どちらか片方のお口に力が加わり、歯が内側に押されるため、顎にズレが生じる可能性があります。
大人のマネをしているケースもありますので、保護者の方にほおづえをつくクセがないか見直してみましょう。
・うつぶせ寝
うつぶせ寝は、左右どちらかのお顔が圧迫され、歯並びのゆがみを引き起こす恐れがあります。
ある程度成長すると、あお向け寝ができるよう、枕を使ってみるのもいいかもしれません。
・爪を噛む
かたい爪を前歯で噛み続けると、歯を強く押してしまうため、歯並びや顎のゆがみにつながるケースがあります。
ほかの遊びに誘うなど、気持ちをそらしてあげられるようにサポートしてみましょう。
指しゃぶりなどのクセが歯並びに与える影響
指しゃぶりや舌のクセなどは、歯並びにどのような影響を与えるのでしょうか。
成長期のお子様の歯は、弱い力でも継続的に力が加わると、動きやすいという特徴があります。
ちょっとした日常的なクセが、毎日繰り返されると歯並びに影響をあたえてしまうのです。
出っ歯(上の前歯が前に出ている状態)
出っ歯は「上顎前突(じょうがくぜんとつ)」といわれ、上の前歯や上の顎全体が前方に出ている歯並びの状態です。
お口が閉じにくいので、口呼吸になりがちです。
遺伝もありますが、日常的な指しゃぶりや舌で上の前歯を押すクセが原因とされています。
受け口(下の前歯が上の前歯よりも前に出ている状態)
受け口は反対咬合(はんたいこうごう)といわれ、下の歯並びが上の前歯よりも前に出ている状態のことです。
食べものがしっかり噛めない、発音がしにくいなどの症状が生じます。
口呼吸を繰り返していると、口がずっと開いているため、舌の位置が下がり、下顎を突き出すクセがつき、受け口になりやすいといわれています。
開咬(上下の前歯の間にすき間ができる状態)
奥歯を噛みしめても、前の上下の歯が閉じずにあいてすき間ができている歯並びです。
前歯でものがかめない、息がもれてサ行がうまく発音できないなどの影響を与えます。
お口が閉じにくいので、口呼吸をすることが多くなります。
すきっ歯(歯と歯のあいだにすき間がある状態)
すきっ歯は空隙歯列(くうげきしれつ)ともいわれ、目立つ前歯にすき間があるので、見た目が気になってしまいますね。
舌で前歯を押すクセがあると、歯が前に押されて、すき間ができてしまうことも。
ただ、乳歯のすきっ歯は、これから大きな永久歯が生えてくるスペースを確保しているため、心配はありません。
歯並びの乱れは成長に影響を与える?
歯並びの乱れは、お口や健やかな身体の成長にも悪影響を与えます。
むし歯のリスクが高くなる
歯並びが悪いと、歯ブラシが届きにくく、しっかり歯を磨くことが難しくなります。
そのため、歯に汚れが残りやすく、むし歯や歯周病のリスクが高くなります。
磨き残しが多くなるので、丁寧な歯磨きが必要です。
風邪にかかりやすい
口呼吸がクセになると、風邪などの感染症にかかりやすくなります。
通常、人は鼻から呼吸する生物です。
鼻にある鼻毛は、天然のフィルターの役割を果たしており、ウィルスや細菌を鼻毛が遮断してくれます。
対して、口で呼吸をしていると、ウィルスや細菌がダイレクトに喉から体内に入り込むため、風邪をひきやすくなるのです。
顎の成長を妨げる
「噛む」という動作は顎の成長を促します。
顎はさまざまな刺激を受けながら成長しているからです。
ただ、歯並びが悪くてしっかり噛めず、やわらかい食べものばかりを食べていると、顎に刺激が伝わらず、顎がしっかり成長できないことにつながります。
しっかり噛めず必要な栄養が吸収できない
歯並びが悪くてしっかり噛めないまま飲み込んだり、食べやすいものばかりを食べたりしていると、成長に必要な栄養分をしっかり摂取することができなくなります。
また、胃腸に負担をかけてしまうことも。
食べる姿勢が悪いと、よく噛めないことがあるので、食事の姿勢にも気をつけるようにしましょう。
発音が不明瞭になる
歯と歯のあいだにすき間があると、空気がもれてしまい、上手に発音できない原因になるケースもあります。
特にサ行、タ行が発音しにくくなるお子様が多いようです。
顔のゆがみにつながる
歯並びが悪いと、噛みやすい方ばかりで食べものを噛むようになります。
そうすると、片方のお口周りの筋肉だけが鍛えられてしまい、お顔のゆがみにつながってしまいます。
ものを噛む筋肉は、首や肩、背中までつながっているため、全身のゆがみを引き起こす可能性もあります。
お子様の歯並びのご相談はお早めに
お子様に歯並びを悪くするようなクセがあることに気付かれた保護者の方は、大阪豊中市の「なかふじ歯科クリニック」までお気軽にご相談ください。
お子様に合わせた方法で、お子様のクセの改善をめざします。
早めに対処することで、少ない負担で治療を行える可能性があります。
「矯正は、まだ早いかな?」という方も、治療を始める適切な時期をアドバイスいたしますので、遠慮なくご来院ください。